不動産業界は、建築の知識がなくても「物件を褒めて」さえいれば、誰でも物件を売ることができる
業界です。それだけに危険な面もあります。
 店長の私が以前在籍していた不動産会社の30歳後半の先輩ベテラン営業社員が、ある時、自社
ホームページに「おすすめ物件」として写真入の3000万円に近い中古戸建てを掲載しました。
その物件は不動産業者が売主となっていたので、仲介手数料は売主と買主の両方から貰えますの
で、私も現地も見に行きました。物件は見栄えがするおしゃれな建物で、道路から1段低い敷地に
3階建で、2階に玄関があり、玄関のアプローチが橋になっていました。気になって橋の下を覗いて
みると、鉄骨で骨組みをつくり、その上にコンクリートの橋を渡していましたが、その鉄骨が錆止めも
していない錆だらけの状態でした。また敷地を西のほうに少し下ると建物の基礎から3m強離れた
擁壁にアルミのフェンスが施工してありましたが、かぶせていたモルタルがはがれたままになってい
て、現在は許可にならない厚さ5cmほどのコンクリートのプレートの断面がむき出しになっていました。
このプレートは河川の土手などの土留めに使うもので、昔は民家の擁壁でも許可になったのでしょう
が、現在は相当厚い鉄筋コンクリートで造らないと許可になりません。隣地との高低差3mのところで
は身の危険を感じます。つまりその敷地のグランドレベルと西側の住宅の1階の屋根が同じ高さの
断崖絶壁なのです。本来ならばフェンス工事をした時にプレートの断面が見えないように、キチンと
モルタルを施しておくべきだったです。これを見てからは、もしゲリラ豪雨などで長雨が続いたときに
擁壁が影響受けるのではないかと、今も心配です。担当した先輩のベテラン営業社員は、その後、
あるフランチャイズ加盟店の課長になり、そのグループの中の社長にまでのぽり詰めました。

 また、ある時、さいたま市北区の盆栽町で建築条件付の分譲地を売りに出したときです。まだ現地
は大きな大木が林立している林の状態でしたが、早くも区画の図面ができ、販売を始めたのです。
私も一画をお客様にお奨めして、仮契約いたしました。ところが、ある日、そのお客様から電話が
あり、「分譲地のすぐ傍に住んでいる両親から電話があって、ガラが多いのを埋めているみたい」
という知らせを聞いて分譲地へ急行しました。ガラが多くあまりよい土とはいえません。写真を撮り
会社へ戻って上司に見せましたら「何を騒ぐのか、お客様も売主の業者も会社のお客様だ」と、とり
つく島もなく、クループのトップセールスマンからは「騒ぐなんて馬鹿じゃないの」と面罵されました。
私は、宅地建物取引主任者として責任が取れないので、会社を辞めたのです。

 最近では、ある分譲会社が出した分譲地の建物のフロア材が3ミリ厚のリフォーム用のフロア材
を使っていたため、浮き上がっているところが多く、おまけに目が揃っていません。無残な仕上がり
です。大工さんに施工させたのでしょうが、この手の糊付けには大工さんは慣れていません。本来
ならばフロアタイル等を施工する内装の職人さんがやるべきものです。私はお客様に「この分譲地
はお薦めできません」とお話しましたが、現地はそのうち完売になりました。
 
 また最近では、ある駅から徒歩10分の3200万円に近い築浅の中古戸建てをお客様のご希望で
内見することになりましたので、予め現地を見に行きましたが、外壁はセラミック系の塗装がして
あり、基礎には御影石が張ってあるという近年では豪華な邸宅でした。圧倒されて、やや興奮気
味に案内しましたら、選任の業者の担当社員が立ち会って説明を受けた話では、1年半も待
たされるというハウスメーカーの施工になる物件だったのです。最初は興奮していて気づかなかっ
たのですが、2階の階段手摺の笠木(カウンターのようになっている木製の手摺)の合わせ目に本来
入ってしかるべきプラスチック製の緩衝材がなく、下手すると手を傷めそうです。その眼を転じて
床を見るとあっちこっち目が合っていません。また建具の枠の下がフロアよりも浮いていて隙間が
あるという建築の常識外の状態。さらに外へ出て裏のほうへ行って、基礎を見ると御影石の下に
小石を詰めてレベルを維持している始末。これは注文住宅とはいえません。私はお客様に、
諦めていただくよう話をしました。

 以上でお分かりかと思いますが、建築の知識がないと、知らないうちに「瑕疵物件」をお客様に
お奨めすることになるのです。

 そこで一般の方でも不動産物件の瑕疵を見つけるには、どうしたらよいかお話します。
よく中古戸建ての内見の時に、ビー玉を持ってきて転がされるのも、瑕疵発見の手段の一つで
すが、水平器、騒音計、電磁波測定器等の機器を利用することも必要です。そのほかに次の
次の6点も参考にして下さい。
 
 1.内見には建築士や建築知識・経験の豊富な知人と一緒に現場を見ること。

 2.それができない時は、建築知識・経験が豊富な不動産業者を選ぶことです。
しかし、その業者が、どの程度、建築知識があるか試す方法はあります。ブロック塀の上に時々
屋根のような形のブロックがありますが、それを指して「あの上のものはなんというものですか」
と尋ねてください。「カサギ(笠置)」と答えたら、その不動産業者は、ある程度、建築の知識が
あるということになりますが、問題は見識です。瑕疵に気づいていても、お客様が気づかなかっ
た場合はやり過ごしてしまう営業マンが実に多いことです。

 3.建物の内見の時、床を見るほかに、隅っこを見る習慣を身につけましょう。入り済み、出隅
を注意深く見ることで、収まり具合を見る監督は多いものです。

 4.室内の壁の亀裂で窓上や出入り口、間仕切り襖の中央上部に亀裂があり、下を向いて亀裂が
広がっているときは、上からの応力で下がったということになりますが、亀裂が1ミリ程度とさほど
大きくなく1〜2ヵ所程度でしたら問題はありませんが、亀裂が3ミリ以上あり、全体に数ヵ所と
なればお奨めできません。

 5.簡単な水平器をホームセンターで購入し、物件の柱や壁に水平器を当てて、どの方向に
傾いているか調べましょう。方向が分かったら外へ出て、敷地の状態を確認してください。
 最近は建物の基礎がベタ基礎(耐圧盤)になったことと、地盤改良をしている建物が多い
こともあって、家が傾いている戸建ては少ないのですが、布基礎の家屋で傾いている
原因の一つに浄化槽を本下水にした際の浄化槽の埋め戻しが不十分だったりして陥没し
て家が傾くとか、また隣地が1段低い田んぼの場合は田んぼ側の排水枡の下の土が田
んぼに流れ出して家が傾いたりします。傾いているようでしたら、その方向の排水枡の中
も確認しましょう。

 6.物件が高台にあって擁壁がある場合、低いほうの地盤面から敷地のグランドレベルの
高低差が2.0m以内の擁壁の施工は宅地造成法の適用外なので建築確認が必要ないため、
そこに落とし穴があります。単純な見分け方ですが、10cm以上の厚みのコンクリートでしたら、
先ず問題はありませんが、ブロックだと心配です。
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